東京の富裕層が集まる街ランキング【2025年版】｜統計・立地・住環境から見る上質な住宅エリアとは

東京の富裕層が集まる街と聞いて、まず思い浮かぶのは港区、千代田区、世田谷区といった高級住宅街ではないでしょうか。これらのエリアは長年にわたり「東京の富裕層街」として知られてきましたが、2025年現在、その様相には少しずつ変化が見られます。単に不動産価格が高いだけでなく、治安の良さや教育環境の充実、駅からのアクセス、街の静けさといった要素も重視されるようになってきています。

「東京で富裕層がどんな街に住んでいるのか知りたい」「資産価値の高いエリアにはどんな特徴があるのか」といった関心を持つ方も多いのではないでしょうか。そうしたニーズに応えるために、本記事では信頼性のある統計データや不動産調査をもとに、東京の富裕層が集まりやすい街を客観的な視点でご紹介します。

どのような条件を満たす街が富裕層から選ばれているのか、また、実際にそうした街が持つ魅力とは何か。年収や金融資産、地価の傾向、交通アクセス、地域の歴史や文化といった多様な切り口から、東京の富裕層街の最新トレンドを読み解いていきます。

2025年現在、上質な住まいを求める方にとって、東京の住宅街選びはより多様化しています。本記事が、信頼できる情報をもとにした住環境選びの一助となれば幸いです。

この記事でわかること

富裕層の定義と分類（年収・資産など）
2025年時点での東京の富裕層街ランキングTOP5
富裕層が住む街に共通する特徴や選ばれる理由
地価データと住環境のバランスから見るエリア比較
上質な住宅地を選ぶための具体的な探し方と視点

東京の富裕層街とは？選ばれるエリアの特徴と傾向

イメージ作成：SelectModernLuxury

富裕層が多いエリアとは？定義と前提を明確に
富裕層に人気の街ランキングTOP5（傾向ベース）
住みやすさで選ぶ東京富裕層街｜教育・治安・環境から比較
なぜ富裕層に選ばれるのか？エリア別の特徴
資産価値と居住環境のバランス
東京で上質な住まいを探すためのヒント

富裕層が多いエリアとは？定義と前提を明確に

まずは「富裕層とはどのような人を指すのか」を整理して進めます。東京のエリア分析に入る前提として重要な理解になります。

富裕層の定義（日本における指標）

純金融資産から負債を引いた額が1億円以上5億円未満の世帯を、野村総合研究所は「富裕層」と定義しています。また、5億円以上は「超富裕層」と分類されています
2023年時点では、日本の富裕層世帯は約139.5万世帯、超富裕層を合わせると約148.5万世帯。2023年まで1,000世帯当たり約26世帯が「富裕層」とされています。
さらに最近では、「世帯年収3,000万円以上」の都市部共働き世帯を「スーパーパワーファミリー」と位置付ける傾向もあり、富裕層の一部として注目されています

以上を踏まえ、本記事では以下の条件をメインとして「富裕層街」を解説していきます：

純資産1億円以上の世帯が多い街
世帯年収2,000万円以上、特に3,000万円前後の共働き世帯が目立つ街

富裕層分類と分析の前提

分類	指標
富裕層（NRI）	純金融資産1億円〜5億円／世帯
超富裕層（NRI）	純金融資産5億円以上
スーパーパワーファミリー	都市部で世帯年収3,000万円程度の共働き世帯

「富裕層街」を扱うには、これらの上位資産層が多数含まれる地域が該当するという前提で解説を進めます。
また、年収基準で2,000万円以上を指標に加えることで、純金融資産以外の視点も補完します。

なお、東京の高級住宅街をより広い視点で比較・検討したい方は、以下の記事も参考になります。

▶︎ 東京の高級住宅街完全ガイド【2025年版】｜人気ランキング・富裕層エリアを徹底解説

富裕層に人気の街ランキングTOP5（傾向ベース）

東京の中で「富裕層が集まりやすい」とされる街を、統計や地価、調査データをもとに傾向ベースでご紹介します。あくまで参考指標としてご覧ください。

順位とその根拠

港区
- 総務省の平均所得データで、1126万円と23区で最も高い水準。
- 社長比率では6.2人に1人が社長という層の厚さを誇り、高級マンションや邸宅が多数。
- 赤坂・白金台・麻布・六本木など、品格と利便性を兼ね備えた住宅街としても定評あり。
渋谷区
- 平均所得851万円でトップ3にランクイン。
- 松濤・広尾・代官山など高級住宅地が点在し、社長比率13％超。
- 商業施設と邸宅が共存し、アクセスの良さと静かな環境が両立。
千代田区
- 平均所得999万円と高所得層が多く住む区。
- 世帯の年収帯や地価の高さを見ると、「番町・麹町」など歴史ある邸宅地が存在。
- 行政機関やオフィス街が多く、治安・ブランド性にも優れる。
目黒区
- 平均所得615万円と上位だが、富裕層街ランキングでも上位に登場。
- 中目黒・碑文谷・青葉台など、おしゃれで落ち着いた住宅地が人気。
世田谷区
- 世帯数では都内最多の富裕層層付け（特に成城や深沢など）
- 緑豊かでファミリー層に選ばれやすい街の代表格。

順位	区名	平均所得	特徴
1	港区	約1126万円	社長・高所得層が多く、高級住宅街が集中
2	渋谷区	約851万円	フォーマルと個性派住宅地が混在
3	千代田区	約999万円	築地・番町など格式ある住宅街が魅力
4	目黒区	約615万円	おしゃれで落ち着いた邸宅エリア
5	世田谷区	約660万円	富裕層世帯数最多、静かな邸宅街が広がる

傾向ポイント

高所得層だけでなく、社長や経営者層が多い街ほど「富裕層街」として顕著。港区や渋谷区などが典型的です。
住宅地の地価ランキングでも上位にあるエリア（中央区銀座4丁目が坪1,950万円で全国トップ、港区・千代田区も高水準）
世帯数ベースだと世田谷区が突出し、広いエリアに富裕層住宅が点在しています。

住みやすさで選ぶ東京富裕層街｜教育・治安・環境から比較

なぜ富裕層に選ばれるのか？エリア別の特徴

ランキングで登場した街には、それぞれ異なる魅力や選ばれる理由があります。ここでは、富裕層が住まいに求める視点（治安・教育・自然環境・街のブランド性など）に基づき、各エリアの特色を整理します。

港区（赤坂・麻布・白金台など）

治安とアクセス：警察署や交番が多く、夜間も比較的治安が良好。都心主要駅へのアクセスが抜群で、ビジネス・プライベートともに利便性が高い。
教育環境：インターナショナルスクールや私立の名門校がそろい、外国人家庭や教育重視層にも支持される。
街の静けさと格式：白金台・麻布といった高級邸宅街には、緑や広い敷地が多く、落ち着いた雰囲気が魅力。

渋谷区（広尾・松濤・代官山など）

バランスの良い環境：渋谷・恵比寿方面の便利さと、松濤・広尾などの邸宅街が両立。商業と静穏を同時に享受できる。
文化的な資産：代官山のカフェ・アートスペースや松濤の美術館があるなど、文化面の好環境が富裕層の価値観と合致。

千代田区（番町・麹町など）

歴史ある邸宅地：旧大名屋敷や上流家庭の邸宅が多く残る伝統的高級住宅街。格式と重厚感を求める層に好まれる。
治安と公的インフラ：官公庁が集まる地で、治安・公共サービス・行政対応の豊富さが安心感に繋がる。

目黒区（中目黒・碑文谷・青葉台など）

おしゃれ＆落ち着き：中目黒は若い富裕層にも人気。碑文谷・青葉台では緑多い住宅街が広がり、都市生活と自然のバランスが良い。
コミュニティ性：地域には住民主体のイベントやマルシェも多く、交流意欲がある富裕層にとって魅力的。

世田谷区（成城・深沢など）

ファミリー向け重視：緑豊かで学校や公園が充実しており、子育て重視の富裕層に適したエリア。
拡がりのある邸宅街：高級住宅街が広範囲に広がり、「郊外に近い暮らし」を望む層に支持される地域性を持つ。

全体傾向

富裕層街として選ばれる地域には、「治安」「教育」「利便性」「環境の質」「街の格式や文化」といった、複数の要素が組み合わさっています。
単一の要素ではなく、「総合的な住環境の質」が、富裕層の住宅選びにおいて評価されているのが共通点です。
2025年の東京では、文化的な価値や自然の質を兼ね備えるエリアも上位に食い込んできており、単なる価格重視ではない「暮らしの質」の重視が進んでいます。

資産価値と居住環境のバランス

本章では公示地価（2025年1月1日時点）を中心に、地価の高さと居住環境の質の関係について整理します。

23区全体・都心5区の地価動向

東京都全体の公示地価は前年比＋7.3％、23区では＋7.9％と、東京圏の住宅地では4年連続で上昇が続いています。
とくに都心5区（千代田・中央・港・新宿・渋谷）は平均＋12.0％と、大幅に上回っています。

この動きは、都心回帰や再開発の進展、低金利環境の継続といった背景によるものです。高所得者層や富裕層世帯が「住みやすく、価値が高い」と評価する地域ほど、地価上昇の恩恵を受けやすい構造になっています。

区別の比較｜住宅地の平均公示地価

区名	㎡当たり（坪当たり）	前年比変動率
港区	約2,577,333円／㎡（約8,520,100円／坪）	+12.7％
目黒区	約1,232,031円／㎡（約4,072,800円／坪）	+12.5％
中央区	全国トップ級（銀座4丁目など）	+13.9％

港区は住宅地で坪約852万円と高水準。12.7％の上昇率は23区トップクラス。
目黒区も＋12.5％と急伸、都心回帰・マンション需要の影響を受けています。
中央区は銀座など商業地がトップクラスで、住宅地も13.9％と最大上昇率に近い水準。

居住環境との相関—傾向まとめ

地価が高いエリア＝上質な住環境という構図

港区・目黒区・中央区などは、地価の高さが安心・利便性・ステータス性といった要素と連動しており、「富裕層街」の代表的リージョンといえます。
地価上昇率は都心回帰の指標

坪単価の上昇が顕著なエリアは、交通アクセスが良く、再開発による将来性がある地域が多く含まれます。
住宅地と商業地の両立も鍵

中央区銀座4丁目などの商業地の地価は住宅地の指標にも影響を与えており、「全用途で資産価値が維持されるか」が重要視されているといえます。

地価の高さとその上昇傾向は、「住環境の品質と居住者のニーズが一致しているか」を表す一つの指標です。ただし、公示地価はあくまで“全体傾向”であり、実際の物件選びには立地、建物の状態、用途規制など多面的な判断が必要です。

東京で上質な住まいを探すためのヒント

このセクションでは、「東京の富裕層が集まる街」選びで重視される視点をもとに、上質な住まいを見つけるための実践的なアプローチをご紹介します。

1. 条件設定のポイント

駅近＆利便性重視

朝・晩に余裕を持てるよう、徒歩圏に複数の駅（複数路線乗り入れの駅など）がある物件を中心に検討。通勤・移動に余計なストレスが出にくい。
低層住宅街／第一種低層住居地域

緑や邸宅の佇まいを重視するなら、成城や田園調布、白金台などの低層住宅地エリアがおすすめです。高層マンションとは違う落ち着きがあります。
教育・医療・行政の充実

インターナショナルスクールや私立校、総合病院・救急対応病院、行政サービスが整っている地域は、安心感という面で評価が高いです。
将来性や再開発エリア

再開発予定地やインフラ整備が進む地域は、今後の価値維持や生活利便性の向上が見込めます。ただし、実際の投資を目的とするような表現は避け、あくまで生活の視点で紹介します。

2. 情報収集のステップ

不動産ポータルで条件登録
- 例：「駅徒歩10分以内・低層住宅・3LDK以上・ファミリー向け」などの条件設定。新着物件のアラート通知も有効です。
複数の資料請求から比較検討
- 公式資料請求サイト（例：TERASS（テラス） や 【家づくり相談所】 ）を活用し、エリアごとの販売実績や周辺環境の最新情報を比較してみましょう。オンライン比較サービスを併用することで、効率よく信頼できる住まい探しが可能になります。
現地見学や街歩き
- 朝・昼・夜での周辺の雰囲気を確認。スーパー、保育園、小学校、病院、公園などもチェック。静かさや緑の多さ、街のスケール感も体感できます。
専門家（不動産・建築・教育など）への相談
- 特に初めて高級住宅街を選ぶ場合、外部の視点も有効です。学区や治安、建築制限などの見落としリスクを避けることができます。

3. プロの視点からのアドバイス例

駅名だけで選ばず出口位置も確認

駅からの道が明るいか、歩道が整備されているかは日々の暮らしや夜間の安心感に直結します。
低層地域での「風通し」や「日当たり」を意識

30坪（約100㎡）以上の敷地や庭、緑のある広い通りに面した邸宅は、静穏かつ気持ちの良い空間が確保されやすいです。
街並みや将来の街のビジョンに注目

例：田園調布や成城は歴史ある計画都市。将来的にも再開発・再整備が慎重に進められるため、長期の生活環境が見据えやすいです。

まとめ：東京の富裕層が集まる街ランキング【2025年版】｜統計・立地・住環境から見る上質な住宅エリアとは